24時間体制で往診可能な在宅療養支援診療所について、独立行政法人福祉医療機構のインターネットサイト「WAM NET(ワムネット)」が、全国9346か所の診療所情報の提供を開始した。
患者・家族の診療所探しを支援するのが目的。都道府県別では、トップの大阪が1233か所を数えたのに対し、最も少ない高知はわずか26か所で、地域差も目立った。
在宅療養支援診療所は、在宅医療の拠点として、厚生労働省が昨年4月に新設した。社会保険事務局に届け出ると、診療報酬が手厚くなるが、患者や家族との連絡体制整備などが求められるため、一般の診療所の1割にとどまっている。同機構は、昨年10月1日現在の届け出リストをもとに、住所、電話番号、診療科目などの情報提供を始めた。
それによると、大阪に続き、東京938、福岡602、兵庫564など、大都市圏で、届け出が多かった。一方で、高知のほか、富山28、山梨29が30か所を切っていた。
診療所の数を、主な利用者となる65歳以上人口で割ると、大阪が1325人に1か所の割合になるのに対し、高知は7913人、富山は9220人に1か所で、整備状況に7倍もの格差があった。
家での療養を支える在宅療養支援診療所をめぐっては、所在地などのリストが一般に公開されていないため、患者は退院時などに病院に聞くしかなく、「情報の壁がある」といった声が出ていた。ワムネットでは、市町村ごとの検索も可能で、患者・家族の助けになりそうだ。